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【高崎市】暮らしに幸せの彩りを添える、まちの小さな本屋さん。

こんにちは!motto編集部のオオウ(@ounco_coverdeath)です。皆さんは読書は好きですか?近頃、コンビニの雑誌コーナーの売り場面積が縮小したり、置かれる本の数が少なくなったり、電子書籍によって紙書籍を目にする機会が減ってきていて、筆者は寂しいなと感じています。「motto」は紙媒体として10年続いていますが、編集部が紙書籍の温もりやリアルさは残したいという思いで運営しています。限られた枠の中で文字や写真をどうに使うか、そんなことも考えながら日々編集と向き合っています。本当に大切な情報だけ残したりと、そこでまとめる力も必要なんですけどね!さて、今回ご紹介する『本屋ブーケ』は、高崎市内にオープンした小さな本屋です。本のみならずPOP UPやイベントも積極的に取り組まれているお店なので、少しでも気になったら気軽に足を運んでみてくださいね!

1. 日常に彩りを加える、小さな本屋の物語

2024年春、高崎市役所のすぐそばにオープンした『本屋ブーケ』。JR高崎駅(西口)から市役所方面に伸びる「シンフォニーロード」を進んでいくと、淡い色合いの店構えを覗かせます。店主を務めるのは、新潟県出身の松坂さん。

仕事や学校からの帰り道に、待ち合わせまでのちょっとしたすきま時間に、ふらっと立ち寄ることができるのは嬉しいですよね。白壁や木目を基調としたナチュラルな店内には、色とりどりの花が集まるブーケのように、日常を彩る本や雑貨たちが顔を並べます。

時期によって変動はありますが、松坂さんが選書した本はおよそ900冊。小説やエッセイから詩歌や絵本まで、ジャンルの偏りが出すぎないようにセレクトされているのだそう。

また、ディスプレイの仕方に松坂さんの気遣いが散りばめられています。『本屋ブーケ』のディスプレイは比較的目線を落とすような配置のものがほとんど。本棚いっぱい、壁一面に敷き詰められているとどこか圧迫感を感じてしまいますよね。子どもからご年配の方まで、幅広い世代のお客さんが訪れるということもあり、棚はあまり高くなりすぎないように意識しているのだそう。素敵!

2. 幅広い世代に寄り添う、想いを映す本棚

『本屋ブーケ』は、いわゆる大型書店と一線を画す、独立系書店。お店は大型書店に比べると小規模になりますが、店主の個性や想いを感じられる選書や空間が独立系書店の魅力です。

『本屋ブーケ』もまた、松坂さんの想いが詰まったショップ。アンティークのインテリアも織り交ぜた空間は、松坂さんの人柄が表れたような落ち着きのある柔らかい雰囲気。独立系書店は地域に根付いていることも特徴で、松坂さんに惹かれてお客さんや同志とも言えるショップ仲間が集い、コミュニティも出来つつあります。近隣の『Good Will Coffee』とは合同フリーペーパー「珈琲と花束」を発行したり、読書イベント「はなあかりの会」を開催しています。

そんな『本屋ブーケ』では先述の通り、約900冊の本が並びます。選書の基準について松坂さんは、「いつ誰がどんな時に来ても、何かしら気になる本が目に留まるように、特定分野に偏りが出すぎないようにセレクトしています。また、季節や時事に合わせて今読んでほしいものを並べるよう心がけています」と答えてくれました。

独立系書店はどうしてもジャンルに偏りが出てしまいがちですが、『本屋ブーケ』では、松坂さんというフィルターを通して、より多くの人が本を楽しめるようなラインナップで迎えてくれます。

POINT

松坂さんのおすすめは『花のうた』(左右社)。100名の歌人の短歌を1首ずつ編んだ、短歌アンソロジーシリーズ。開いたページに様々な花が咲いて、散って、また芽吹いていく、味わい深い一冊です。短歌が初めてという方でも一気に100名の歌人に触れられるというところと、『本屋ブーケ』の店名にもリンクするような一冊ということでおすすめしてくれました。

3. 縁もゆかりもない土地に咲いた、本と人の花束

筆者の耳に『本屋ブーケ』が開業すると情報が入ってきた際、松坂さんのような若き店主の姿を想像できていませんでした。

新潟県出身の松坂さんは教育系の大学卒業後は衣服雑貨店、保育園、展示施設ショップと幅広く働きました。都内の展示施設ショップで働いていく中で、「いつか自分でお店を持てたらな」と漠然と考えるようになったそう。自身の「30歳」という年齢的な区切りもあって、開業を決意。

県外出身にも関わらず、群馬県の高崎市を選んだ理由については「妻も埼玉県出身で、繋がりのある土地ではなかったんですが、個人的に足を運んでいたREBEL BOOKSの存在が大きかったです。様々な個人店がまちに根付いている気がして、どこにお店を出すかと考えた時に、高崎が最も理想のイメージに近かったんです」と語ってくれました。そして、老若男女、幅広く様々なお客さんが訪れられる場所を探していたところ現店舗の物件が見つかったそう。足を運んだことはあれど、縁もゆかりもない場所に飛び込む勇気に拍手です

最後に松坂さんは「本を通して皆さんの生活に彩りを加えられたら幸いです」と、この土地に根付くお店としての抱負を語ってくれました。

4. 足を運ぶ度に姿を変える、本屋以上の楽しみ!

これまで働かれてきた経歴があるからこそ、本以外の雑貨を扱ったり、ディスプレイにも力を入れたりしている面は腑に落ちましたよね。松坂さんが手がける『本屋ブーケ』の持ち味は、そこだけに留まりません。

本に馴染みのない方でも、気軽に足を運べるように、イラストレーターや作家、ファッションブランドに雑貨など、様々なPOP UPや絵本の原画展などのイベントを開催しています。多彩な企画が月1件以上で入れ替わり立ち替わり登場するので、作家はもちろん雑貨やファッションが好きな人は足を運んでみて欲しいです!

撮影取材時には、イラストレーター「秦直也」の「いっぽうそのころ」絵本原画展が開催されていました。8月には伝説的な絵本作家「M.B.ゴフスタイン」による巡回展「私と、私の100のゴフスタインより@本屋ブーケ」や東京都福生市にショップを構える「STAN」のPOP UPイベントなども開催予定とのこと。

高崎に誕生した小さなショップ『本屋ブーケ』、いかがでしたか?本を読むことで知識や語彙が増え、想像力や思考力が養われ、心が豊かになります。電子書籍も便利ですが、紙書籍は装丁や手触り、はたまた紙の香りを感じるとこができます。自分用はもちろん、時には大切なパートナーや子供たちなどに本を贈ってみるのも良いかもしれませんね。

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▼クレジット
撮影/三木康史(troisdesign)
文/佐々木覆(troisdesign)

※掲載情報は取材時と変更になっている場合もあります。最新の情報は公式HP・SNS等にてご確認ください。

本屋ブーケ

[所在地]
高崎市宮元町290
[営業時間]
[平日]12:00〜18:30、[土日祝]10:00〜18:30
[定休日]
水曜(臨時休業等はInstagramにて)
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