こんにちは。motto編集部ライターのERIです。みなさん元気にしていますか?だんだん春めいた陽気になってきましたね。気がつけば卒業シーズン、もうすぐ始まる新しい生活にワクワクドキドキしている方も多いでしょう。今日は、「好きなこと」を極めて想いを実現したステキな女の子二人で切り盛りする、前橋で大人気のパンとコーヒーの店『はるぱん』をご紹介します。
1. 広瀬川沿いに佇む小さなお店
2022年9月、パンとコーヒーを楽しめる小さなお店『はるぱん』がOPENしました。場所は前橋公園とまちなかとの中間地点、広瀬川沿いのヒロセーヌパドルの北棟1階。
古い空き家を改装した店内は、都会的でありながらも梁を残した趣のある造り。店内にはアンティークの家具もあったり、暖かな雰囲気でとても素敵な建物です。
元々は、高崎市内の「CM2 CAFE」の併設店舗(※現「TAP.」がある場所)で販売していた『はるぱん』なのですが、SNSで出店告知をすると、あっという間に完売するほど大人気でもあり、パン好きの間では以前からずっと話題になっていました。当時、新店舗オープンを楽しみにしていたという方も多くいらっしゃいました。
2. 『はるぱん』誕生ものがたり
パン担当の中村さんとコーヒー担当の羽鳥さんのお二人は、同じ専門学校の同級生。卒業後、中村さんは高崎市内のパン屋へと就職し、そこで3年間、パン製造から接客や販売まで幅広く仕事を学びます。その後、素敵なご縁から独立を決意し、2020年5月、高崎市の「CM2 CAFE」の併設店舗にて『はるぱん』をオープン。パン生地の仕込みから成形、焼き上げて店舗に並べて販売し、終えたら片付け、次の日の準備、新商品の開発や値段決め・・などなど、すべて一人でこなしていたそうです。
羽鳥さんは偶然にも同じ時期に似た境遇で働いていたことから中村さんとよく連絡を取るようになったそう。パンやコーヒーのこと、今後の自分たちのこと、「一緒にお店を開いたらどんなだろう」「焼きたてのパンと一緒に、本格的なコーヒーやラテが楽しめたら素敵だな」等と話していたところ、タイミングよくイベント出店の声がかかり、「OTA CITY MARKET」で遂にお二人での出店が実現。結果は大盛況!反響も大きく、その後も色々なご縁が重なり、2021年12月に「CM2 CAFE」から独立。イベント出店や移動販売などで、徐々にその名を県内に広めていきました。
そして2022年4月、実店舗オープンに向けてクラウドファンディングを開始。広瀬川沿いの古い空き家を改装し、同2022年9月に『はるぱん』の店舗オープンに至る、というわけです。なんだかまるでドラマや漫画のようなすごい展開ですね!
先ほども少し触れましたが、店舗の建物は元々は空き家でした。実は、全国的に見ても群馬県の空き家率はとても高く、47都道府県中12番目と上位に位置しています。県内でも、ここ前橋市千代田町は「最重要地区」として定められているそうです。空き家問題は、防犯・防災・衛生・景観を損なうことなどにもつながり、ネガティブなイメージが付き物です。ですが裏を返せば、活用次第で大きな資産と可能性を秘めているという側面もあります。『はるぱん』の店舗のように、空き家を再活用して新たな場として生まれ変わらせ、楽しい場所を作る方々も今後続くのではないでしょうか。
なお、『はるぱん』の建物の設計は前橋の一級建築事務所「llemo design studio」の木暮勇斗さんが担当。中村さんや羽鳥さんも、自分たちで壁を塗ったりDIYで作業をしてきた、愛着がある店舗なのだそうです。
外に出ると広瀬川が道沿いに流れ、目の前は整備された綺麗な散歩道。すぐ近くには大きな公園もありますが、かといって騒がしくもなく、穏やかに時間が流れる心地よい環境で、時間帯や季節によって様々な人たちが行き交う場所です。そんな道の途中で、「誰もが気軽に立ち寄れるパン屋」を目指しているのだそうです。
3. こだわりのパンとコーヒー
『はるぱん』こだわりのパンは、安心・安全にこだわり、素材の味を生かしたシンプルなパン。できる限り地元の食材をふんだんに使い、生産者さんたちの顔が見えるようなパンを目指しています。小麦粉は国産のものを使用し(そのうち8割は群馬県産の小麦なんだそう)、毎日20~30種類のパンを仕込み焼いています。
ハード系のパンを中心に「女性やお子様にも色々な種類のパンを楽しんでもらいたい」という思いから、小ぶりなサイズ感にこだわっているそうで、小さい見ためですが中の具はぎっしり!水分を多く含んだ中はモチモチのリュスティックが自慢で、そのパンを使った「あんバター」が特に人気だそうです。おかず系も甘い系も美味しいのですが、筆者の推しは「トマチー」。
羽鳥さんが手がけるコーヒーは、前橋市内の「LAUGH COFFEE」にオリジナルのブレンドをお願いしているこだわりの豆を使用。実は筆者が初めて『はるぱん』のコーヒーを頂いたとき「パン屋さんなのにコーヒーが美味・・!」と衝撃受けました。バリスタの羽鳥さんは元々、motto vol.20でも紹介している太田市美術館・図書館内「Coffee & Things Oh!」での店長経験などもあるそうで、その味にも納得。
カフェラテにはくまのアートも施され、とっても繊細で可愛くて飲むのが勿体無いほどです。もちろんイートインのみならずテイクアウトも可能なので、これからの季節には、パンとコーヒーやカフェラテを買って、広瀬川沿いや近くの公園でピクニックも最高ですね。
POINT
4. 「好きだから」続けられることの素晴らしさ
イベント出店を重ね、現在のお店をオープンさせた中村さんと羽鳥さん。「私たちは、パンが好きでコーヒーが好きなふつうの女の子です」と話します。ただただ「好きだから」「楽しいから」続けてきたのだそう。
これって一見シンプルですが、コアな部分に「好き」「楽しい」がしっかりあるからこそ夢は最速で実現できるのだというのを筆者も改めて教えてもらえたような気がします。何より人間が豊かに生きていく上でも「好き」「楽しい」は絶対に欠かせないモチベーションだと思います。
「好きなこと」を見つけるのすらなかなか難しいと言われているようなこの時代に、自分たちの想いに正直に突き進む、まっすぐでステキなお二人を筆者は今後も応援していきたいと思います!
▼クレジット
撮影/三木康史(troisdesign)
文/ERI
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※motto vol.34「Da-iCE和田颯のハヤペディア」の記事を一部転載しています。
※掲載情報は取材時と変更になっている場合もあります。最新の情報は公式HP・SNS等にてご確認ください。