【玉村町】室町時代の建築様式を現代に遺し、国の重要文化財に指定される玉村八幡宮。

こんにちは!motto編集部ライターのMAYOです!時間が経つのは早いですね。もう師走ですよ。師走。子育てに家事に、実家の手伝いにとバタバタしていたら、いつの間にか年末になっていました。さて、今回ご紹介するのは、佐波郡玉村町にある『玉村八幡宮』。「人形感謝祭(供養)」を毎月執り行っているという全国的にも珍しい神社で、本殿は群馬県で最初の国指定重要文化財でもあります。今回は、その魅力を探ってきました。

1. 過去と現在、歴史を繫ぐ玉村町

※写真提供=玉村町魅力発信機構

『玉村八幡宮』のある玉村町は群馬県南部に位置し、前橋市・高崎市・伊勢崎市・藤岡市の4市に囲まれたまち。埼玉県の本庄市、児玉郡上里町とも隣接しています。古くから交通の要でもあった日光例幣使道の開通により、宿場町へと発展を遂げました。北に利根川、南には烏川、町の中央には滝川が流れ、赤城山・榛名山・妙義山の上毛三山を一望できます。高崎玉村スマートICもあるので、都心へのアクセスもスムーズ。江戸以降の建造物が点在し、人や物が行き交った面影を今でも残しています。

2. 玉村八幡宮は安産、子育てや安全祈願の社

※写真提供=玉村町魅力発信機構

1195年、鎌倉の鶴岡八幡宮から分霊、創健された神社で、日光例幣使道玉村宿の北側ほぼ中央、上新田と下新田の境に鎮座し、朱色の「一の鳥居」から参道がスーッと北に向かい伸びています。足を踏み入れた瞬間に、霊験あらたかな場所であることがわかります。昔から「安産・子育て」の社として人々に親しまれてきました。また、交通の要ともなった日光例幣使道の道中であることから、「道中安全・交通安全」の社としても有名です。その他にも、珍しいV字形の「昇龍の松・勝運の松」にはスポーツチームが必勝祈願で訪れたり、人形感謝祭など珍しい神事や戌年・亥年生まれの会員による戌・亥八幡崇敬会という組織もあります。

※写真提供=玉村町魅力発信機構

人形感謝祭(供養)は、「人形の処分に困っている」という近所の方からの相談を受けて始まったそうで、当時10件/月だったものが今では100〜200件/月に。さらに、「願い事 足を運ぶは 八幡さま」と唄われ、七五三や結婚式など人々の心の拠り所としての役目を担ってきました。神社や仏閣の澄んだ雰囲気って、心が洗われますよね。身近な場所にそんなパワースポットがあるのは羨ましい限りです。

3. 国の重要文化財に指定された由緒ただしき境内

国の重要文化財とは、「日本にある建造物、美術工芸品、考古資料、歴史資料等に有形文化財のうち、歴史上、芸術上価値の高いもの、または学術的に価値の高いものとして文化財保護法に基づき日本国政府が指定したもの」を指します。(出典:Wikipedia

神聖な本殿は、室町時代の建築様式を現代に遺しており、国の重要文化財に指定されています。その歴史の長さから、こんなことが語られています。「あるとき、どこからか追われてきたらしい者が、草木の茂った八幡宮境内の杜に逃げ込みました。追いすがった岩鼻・高崎などの代官の手下たちがこれを取り巻いて、篠や雑草などを刈り始めました。当時境内は老杉蒼然として太篠が密生し物凄く、何日間も刈ったのですが、なかなかはかどらないので、捕方も諦めて少し刈り残したままやめてしまったそうです。実は追われていた人はその刈り残しの茂みの中に隠れていました。生か死か、彼は篠の中でひたすら八幡宮に念じていました。『自分は悪人なれど、この九死に一生を与えていただければ、きっと改心し、社前に人目につくものを必ず寄進いたします。なにとぞお助けください』と祈りました。彼は如何なる運命によってか、ついに逃れて捕らえられることはなかったということです。その後、『金はいくらでも出すから、立派なものを作ってくれ』と言って敷石を寄進した人がいたそうです。また、後年になり、八幡宮の池をさらったところ、中から小判4枚が現れました。先の賊が篠薮に逃れる際、懐中に持った小判を夢中で投げながら逃げ込んだのではないかと言われていました。そして、池の小判もその賊のものではないかと考えられています。現在でもその小判は玉村八幡宮の宝物の一つとして大事に保管されています。」(出典:玉村八幡宮WEB)他にも、この玉村八幡宮について語られる物語は数多く存在していて、その存在の大きさに驚かされます。

タイムスリップしたかのような境内を舞台に、日テレ系TV番組『King & Princeる。』では、King & Princeメンバー(平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太)が撮影に訪れ、時代劇さながらの殺陣(たて)を披露したなんてことも(こちら)!ロケは様々なところで撮影しているので、もちろん杜の中や建物内には無断で入らないようにするなど心がけましょう。

POINT

可愛いらしく人気の御朱印は、四季でデザインが変わります。戌と亥がデザインされた和紙に神職の方が一枚一枚丁寧に心を込めて書いています。

4. フォトジェニックな手水舎、その名も花手水が人気

色鮮やかな花々を手水鉢に浮かべた花手水(※)は、コロナ禍で手水舎が使えないことから生まれました。水に浮かぶ可憐な花たちは、フォトジェニックで人気です。季節ごとに水に浮かぶ花たちは変わるので、春夏秋冬楽しめます。今の時期はサザンカ。溢れんばかりのサザンカが美しく水に浮かんでいました。この花手水を始めてから、近所の方から「うちの花も使って!」と申し出があったり、花屋さんからも寄贈があったりしたそうです。目から清められて、うっとりしてしまいますね。
(※)玉村八幡宮では「はなてみず」と読み、開花の時期に行っています。

玉村八幡宮、いかがでしたか?何度も訪れたくなるスポットですよね。これからの時期だと、初詣にぴったりではないでしょうか?

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▼クレジット
協力/玉村町魅力発信機構
撮影/三木康史(troisdesign)
文/MAYO

※motto vol.26「Da-iCE和田颯のハヤペディア」の記事を一部転載しています。
※掲載情報は取材時と変更になっている場合もあります。最新の情報は公式HP・SNS等にてご確認ください。

玉村八幡宮

[所在地]
佐波郡玉村町下新田1
[TEL]
0270-65-2305
[営業時間]
9:00〜17:00(社務所)
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